100円ライター消える? 幼児事故多発…来月中にも安全基準強化(産経新聞)

 「100円ライター」が姿を消すかもしれない。ライターによる火遊びが原因とみられる、子供の焼死事故などを背景に、ライターの安全規制を強める動きが進んでいるからだ。5月中にも新しい安全基準がまとまる可能性が出てきた。安全基準を高めれば、ライターの価格も上がることになるが、子供を持つ親らの支持は高いようだ。

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 安全基準のとりまとめ時期について経済産業省は13日、当初の「夏ごろの予定」を「5月中」に前倒しする方針を固めた。直嶋正行経産相が同日の閣僚懇談会で表明した。

 経産省の審議会ではライターを消費生活用製品安全法の「特定製品」に指定し、安全基準を満たさない製品の販売を禁じる方向で検討中。すでに子供が使いにくい仕組み(チャイルドレジスタンス=CR)の導入で意見が一致している。

 規制を急がせる背景には、ライターが原因とみられる悲劇が相次いだことがある。今月2日に北海道で起きた車両火災では7カ月から3歳までの4人の乳幼児が死亡した。

 ■5年間で132件

 独立行政法人「製品評価技術基盤機構」(NITE)が13日発表したデータでは、平成16〜20年度にライターの事故は132件もの報告が寄せられている。完全に消火できていない状態に気づかず、衣服などに燃え移るケースが38件と最も多く、意図せずに着火するケースも16件あった。

 福島県では、乗用車の電動シートを動かしたところ下に落ちていたライターが着火したとみられる火災で車が全焼。兵庫県では、ガス調整が不具合なライターを点火したところ、大きな炎が出て額に軽傷を負った事故が報告されている。

 業界ではすでに、安全性を高めたライターのテスト販売や価格の調整が始まっている。とりわけ100円ライターは、価格の維持が困難になりそうだ。

 業界最大手の東海(静岡県小山町)では、先月から東京・神奈川両都県のコンビニエンスストア「サークルKサンクス」90店舗で、着火ボタン部分を、いったん横に押してから下に押さないと火がつかないライターをテスト販売している。テスト販売は昨年に続き2度目で、前回は150円で売りに出したが「売れ行きは散々だった」(同社)。今回の値段は130円。「前回よりは手応えを感じている」という。

 また、欧米でCRライターを販売しているビックジャパン(東京都中央区)では「150円を上限に、着火可能回数に応じて価格を差別化する」という。

 100円ショップにも影響は出そうだ。「5個セット100円」といった超格安のライターを取り扱っている、セリア(岐阜県)では「1セットの数は減るだろうが、流通の改善などで、少なくとも1個100円は十分に実現できるはず」と、いっそうの商売努力をする覚悟。

 ■消費者は理解

 懐が痛む話だが、消費者の理解度は高いようだ。民間の調査会社「サーベイリサーチセンター」(東京都荒川区)が1千人を対象に実施した調査だと、2〜4歳の子供がいる喫煙者250人の約70%が「150円でもCRライターを買う」。「CRライターは必要」と回答したのは1千人のなかで860人もいた。

 NPO法人品質安全機構の村田一郎理事長は「安全性を高めたライターをメーカーが広めることは、理解できる動きだ。ただ、子供の手が届かないところに置くなどの管理を使用者が怠れば事故は必ず起きる」と注意も促している。

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